iPhoneのバッテリーが膨らんでる…放置は危険!その原因と正しい対処法

「最近、iPhoneの画面が浮いてきた」「なんだかバッテリーが膨らんでいるような気がする…」 もしそう感じたら、それはバッテリーが膨張しているサインかもしれません。

iPhoneに使われているリチウムイオンバッテリーは、様々な要因で内部にガスが発生し、膨らんでしまうことがあります。見た目の変化だけでなく、放置すると取り返しのつかない事態に発展する危険性があるため、正しい知識を持ってすぐに対処することが重要です。

なぜiPhoneのバッテリーは膨張するの?

バッテリーが膨張する主な原因は、経年劣化による内部の化学反応です。

リチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化が進みます。この過程で、バッテリー内部の電解液が分解され、水素や二酸化炭素といったガスが発生します。通常、これらのガスは極めて微量ですが、バッテリーが劣化すると、ガスの発生量が増加します。そして、密閉されたバッテリーパックの内部にガスが溜まり続けることで、外側から見てわかるほどに膨らんでしまうのです。

経年劣化を加速させる具体的な要因は以下の通りです。

  • 高温環境での使用・放置: 夏場の車内や直射日光が当たる場所に放置すると、内部が高温になり、ガスの発生が促進されます。
  • 過充電・過放電: 100%の状態で充電を続ける「ながら充電」や、バッテリー残量がゼロの状態で放置することもバッテリーに大きな負担をかけます。
  • 粗悪な充電器の使用: 純正品やMFi認証のない安価な充電器は、バッテリーに過度な電圧をかけることがあり、劣化を早める原因となります。

膨張したバッテリーが引き起こす危険性

「少し画面が浮いているだけだから大丈夫」と安易に考えてはいけません。バッテリーの膨張は、iPhone本体に深刻なダメージを与え、さらに発火・爆発という重大なリスクをはらんでいます。

1. 物理的な損傷

膨張したバッテリーは、その力で内部から画面や背面パネルを押し上げます。これにより、以下のような症状が現れます。

  • 画面の浮き上がり: 液晶やガラスが浮き、本体との間に隙間ができます。
  • 画面のひび割れ: 圧力が強すぎると画面が割れてしまうこともあります。
  • 内部部品の破損: 画面だけでなく、内部の基板やFace IDのセンサーなど、精密な部品が歪んだり、破損したりする危険性があります。

2. 発火・爆発の危険性

最も危険なのが、バッテリーの発火や爆発です。膨張したバッテリーは内部の構造が非常に不安定な状態です。

  • 強い衝撃: 落下させたり、誤って踏みつけたりすると、内部でショートが発生し、熱暴走を引き起こして発火する可能性があります。
  • 無理な圧力: 膨張したバッテリーを無理に元に戻そうと力を加えたり、自力で分解を試みたりする行為も非常に危険です。

バッテリーが膨張した時の正しい対処法

もしiPhoneのバッテリー膨張に気づいたら、すぐに以下の手順で行動してください。

1. 絶対にやってはいけないこと

  • 充電を続ける: 充電はバッテリー内の化学反応を活発にし、さらなる膨張や発火のリスクを高めます。
  • 電源を入れる: 同じ理由で、電源を入れることも避け、すぐにシャットダウンしてください。
  • 自分で修理しようとする: 膨張したバッテリーは非常にデリケートです。素人が分解しようとすると、破裂や発火につながるため絶対にやめてください。

2. すぐに取るべき行動

  • 電源をオフにする: まずはiPhoneの電源を切り、発火リスクを最小限に抑えます。
  • 安全な場所に保管する: 熱源から離れた、風通しの良い場所に置いてください。
  • 専門家へ相談する: すぐにApple正規サービスプロバイダ、または信頼できる修理専門店に相談しましょう。

膨張したバッテリーは、一般ごみとして廃棄することはできません。家電量販店やキャリアショップの回収サービスを利用するか、専門の業者に引き取ってもらう必要があります。特に膨張や破損がある場合は、自治体やJBRC(リチウムイオン電池の回収団体)に事前に確認しましょう。


バッテリーを膨張させないための予防策

日頃から少し気をつけるだけで、バッテリーの劣化を遅らせ、膨張リスクを減らすことができます。

  • ながら充電を避ける: バッテリー残量が100%のまま充電し続けると、過充電になりバッテリーが傷みます。
  • iOSの「バッテリー充電の最適化」機能を活用する: この機能をオンにすると、満充電になる時間を遅らせ、バッテリーへの負担を軽減してくれます。
  • 高温環境を避ける: 夏の車内や暖房の近く、直射日光が当たる場所にiPhoneを放置しないようにしましょう。
  • 「バッテリーの状態」をチェック: iOSの**「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」**から、バッテリーの最大容量を確認できます。最大容量が80%を下回ると、交換のサインと言われています。

もし、ご自身のiPhoneのバッテリーに不安を感じたら、いつでも当店にご相談ください。専門の技術者が、安全かつ確実にバッテリー交換を行います。

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