【注意】iPhoneの画面に『にじみ』や『線』、放置すると危険な理由とは?

iPhoneの画面に、いつの間にか黒い『にじみ』やカラフルな『線』が入っていた──そんな経験はありませんか?一見、軽微な不具合に見えるこれらの症状ですが、実は放置すると、データが消えたり、最悪の場合、発火や爆発につながったりする、深刻な事態に発展する可能性があります。

スマホ修理店を運営する私たちから見て、これらの症状が何を意味し、なぜ早期の対処が必要なのかを、分かりやすく解説します。

画面の『にじみ』や『線』、その正体は?

iPhoneの画面は、表面のガラスだけでなく、内部の繊細なディスプレイ層が何層にも重なった精密な構造をしています 。そのため、見た目に明らかなヒビがなくても、強い衝撃や圧力が加わることで、内部のディスプレイにダメージが及ぶことがあります 。  

特に、画面の『にじみ』や『線』は、ディスプレイの種類によってその原因と意味合いが異なります 。  

  • インクのような黒いシミ:これは「液晶漏れ」と呼ばれる現象で、主に旧モデルに採用されている液晶ディスプレイ(LCD)が衝撃によって破損し、内部の液体が漏れ出すことで発生します 。放置するとシミが広がり、画面全体が見えなくなることもあります 。
  • カラフルな縦線:主にiPhone X以降のモデルに採用されている有機ELディスプレイ(OLED)に多く見られる症状です 。物理的な衝撃によって、画面の色を制御するチップや基板が損傷し、特定の色の線が光りっぱなしになることで発生します 。
  • 白黒の線:これは物理的な損傷ではなく、iOSのバグやソフトウェアの不具合が原因で発生する可能性があります 。この場合は、再起動やiOSのアップデートで改善することがあります 。

「まだ使えるから」は危険!放置が招く3つのリスク

画面の不具合を放置することは、以下の3つのリスクを段階的に引き起こす可能性があります。

① データが失われるリスク 画面にひび割れや損傷があると、「タッチ暴走(ゴーストタッチ)」と呼ばれる、触れていないのに勝手に画面が操作される現象が起きやすくなります 。これにより、パスコードを何度も誤入力してしまい、最終的にiPhoneがロックされて初期化せざるを得ない状況に追い込まれることがあります 。最悪の場合、大切な写真や連絡先、アプリのデータがすべて失われることになります 。  

② 身体的な怪我と発火・爆発のリスク 割れた画面をそのまま使い続けると、鋭利なガラス片で指を深く怪我する危険性があります 。さらに深刻なのは、画面の不具合が「バッテリーの膨張」によって引き起こされているケースです 。劣化したバッテリーは内部でガスを発生させて膨らみ、画面を内側から押し上げます 。この状態を放置すると、バッテリーが破裂・発火するリスクがあるのです 。  

③ 修理費用が高くなるリスク 画面のひび割れやにじみを放置すると、その隙間から水分やホコリが内部に侵入し、画面の下にある基板(ロジックボード)がショートする可能性があります 。軽微な画面修理で済んだはずが、基板故障まで発展すると、より高額な修理費用が必要となったり、最悪の場合、修理自体が不可能になったりすることがあります 。  

画面に異常が発生したら、取るべき行動

画面に『にじみ』や『線』を見つけたら、まず以下の3つの行動を最優先で行ってください。

  1. データのバックアップを最優先で取る:画面が操作できるうちに、iCloudやPCに大切なデータをバックアップしてください 。
  2. 画面を保護する:ガラス片で怪我をしないよう、また異物の侵入を防ぐために、専用の保護フィルムや透明なテープで画面を保護します 。
  3. 専門の修理店へ相談する:画面の異常は自然には直りません 。自己修理はさらなる損傷を引き起こすリスクがあるため、専門の修理店に任せることが最も安全で確実です 。

まとめ

iPhoneの画面に現れる『にじみ』や『線』は、単なる見た目の問題ではなく、iPhoneの内部で深刻な問題が進行しているサインです。お客様ご自身の安全と大切なデータを守るためにも、「まだ使えるから」と放置せず、早めの点検・修理をおすすめします。

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